制御の歴史

クレーンが歩んできた年代別の主流であった制御方式をまとめました。
これまで主流であった制御方式でも、技術の進化とともにクレーンの制御方式も変化しています。
リニューアルにおいては既設の制御方式の延命だけではなく、最新制御方式へのリニューアルも ご検討ください。

※本年表は主流の年代を示したものであり、各制御方式については現在も受注を受け付けております。
制御の歴史 年表

近年主流であるインバータ制御と従来制御方式の比較

制御の歴史 インバータ制御と従来制御方式の比較
インバータ制御は大容量モータから小容量モータまで様々は制御方式からの置換えが可能です。
従来制御との得能の比較をご確認ください。
450Kw以上に関してはは別途ご相談ください。

故障・寿命とは

故障によるダウンタイムや、寿命によるパフォーマンス低下、予算管理など課題は多岐に渡ります。
解決方法として予防保全、モニタリング、計画的な更新などがあります。

故障とは

製品はシステムが設計された機能を正常に果たせなくなる状態です。
故障率の時間的変化を示すグラフとしてバスタブカーブと呼ばれる「故障率曲線」を使います。
これによって製品の信頼性向上やメンテナンスの計画を行います。

バスタブカーブ

バスタブカーブ

初期故障期間 製造欠陥、設計ミス、初期の不具合などが原因で、使用開始された直後の段階で故障が発生します。
対策としては、初期のテストを行うことで有効です。
偶発故障期間 偶発的な要因(外部環境、操作ミスなど)による故障が主な原因です。
対策としては、定期的なメンテナンスやモニタリングによって偶発故障の影響を最小限に抑えることができます。
摩耗故障期間 部品の摩耗や劣化、材料の疲労などが原因で故障が増加します。
対策としては、リニューアル(更新)や予防保全や部品の交換を行うことで、摩耗故障を防ぐことができます。

寿命とは

製品やシステムが正常に機能する期間のことです。
電気部品は、その仕様頻度、環境などにより寿命は著しく異なってきます。
しかし、制御装置など数多くの電気部品を使用している場合は、定量的に表現することは難しい ケースもありますが、設備における寿命として下記のような事象が発生します。

  1. 故障頻度が高くなり、停止時間による損失が多くなった時点
  2. 交換部品の入手が困難となった時点
  3. 修理が代替品を含め技術的に不可能となった時点
  4. 性能低下により、初期の目標が達成できないとき、或いは使用上の安全性が維持できないと判断した時点
  5. 故障による維持管理費の増大が著しくなった時点

リニューアルとは

既存のシステムを最新の技術や要件に合わせて改良、改善することです。
リニューアルする目的として、

  • 信頼性の向上:故障によるダウンタイムの減少、パフォーマンスの向上
  • 性能の向上 :システムの処理や効率化
  • 満足度の向上:使いやすさや機能性の向上
などがあります。

リニューアル対象

当社がリニューアルに対応している制御方式をご紹介します。
故障や寿命によるパフォーマンス低下に対して、システムリニューアルを行うことで、安心・安全な稼動をサポートします。

リニューアル対象:制御

制御方式 置換え対象
インバーター制御盤 従来制御の延命 他社品からの置換え
電動油圧押上機 ブレーキ制御
DCダイナミック制御
DCダイナミック自動制御
渦電流ブレーキ制御
コンタクト可逆 一次電圧制御
サイリスタ可逆 一次電圧制御

お客様のご要望によって条件が異なりますので、まずはご相談ください。

リニューアル対象:機器

摩耗故障の対策として定期的なメンテナンスによる交換が有効です。
当社ではモータ・ブレーキをラインアップしております。

インバータ制御
クレーン(標準盤)MESIP

昨今、インバータ制御方式クレーンが主流となっています。
当社のインバータ制御は、三菱電機株式会社製のクレーン専用インバータを使用することで「制振制御」「ずり下がり対策」「環境対策」などを実現できます。

インバータ制御盤の標準盤:MESIPとは

MESIP(Mitsubishi Electric Engineering Standard InverterPanel)は、クレーン制御方式の1つであるインバータ制御のスタンダート化(標準化した)制御盤です。

スタンダード化された制御盤をベースにしたリニューアルのメリット

これまでの更新時は、既設の構成をベースに機器選定から検討が開始していました。
MESIP活用では、ご用意している標準図面をベースに既設制御盤に収まるようなカスタマイズ設計で、置換え設計が可能です。
これによって機種選定から始める手間が必要なく、更新までにかかる工期短縮が可能です。

MESIPの特徴:4つの支援

4つの支援

ECM (Engineering Chain Management) の略で、製造業における一連のプロセスを管理し、最適化する取り組みのことです。
当社はクレーン導入時における、製品の企画、設計、開発、生産準備、運用、保守などにおける工程を効率化し、品質向上を支援いたします。