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<広 報>

2009年5月28日

東京都千代田区九段北1−13−5
三菱電機エンジニアリング株式会社

需要が拡大するEMC試験への対応を強化
静岡地区(静岡市内)に「3m法対応電波暗室」が完成
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  三菱電機エンジニアリング株式会社(本社:東京都千代田区,社長:尾形仁士)が静岡事業所(静岡県静岡市)内に新設工事を行っていた,EMC※1(電磁環境適合性)規格適合試験を実施するための「3m法対応電波暗室」がこのたび完成しました。
  6月1日から運用を開始します。
  この電波暗室は,妨害電波を測定するため天井および壁に電波吸収体を貼付けて,外部からの電磁波の侵入を防ぐと共に,内部で発生する電磁波の反射をなくした暗室で,被試験装置が発生する不要な電磁波を3m※2離れた距離で測定することができます。
3m法対応電波暗室
 
背   景
  昨今のデジタル家電市場の急成長,携帯端末機器の普及,自動車・産業機械装置のコンピュータ制御化,市場のグローバル化などにより,世界各国でEMCと製品安全に対する法令化が進み,日本国内でもVCCI規制※3,電気用品安全法,薬事法など,EMC規制の適用強化が進んでいます。
   これらの電子応用製品に対しては,不要に放射する電磁波の抑制と,外部からの電磁波に対して誤動作しない耐性が求められており,また製品を輸出する場合には出荷先の法規制値に適合しているかどうかを確認し認証を取得するために,電波暗室で行うEMC規格適合試験のニーズが高まっています。
「電波暗室」新設の狙い
  当社はこれまで,全国4センター※4の電波暗室等を利用してEMC規格適合試験を行うとともに,製品開発コンサルティング・対策支援・認証取得代行などの一連の業務を各センターで受託してきました。
 昨年は1月に西日本地区(広島県福山市)に10m法対応電波暗室を新設,7月に東日本地区(神奈川県鎌倉市)に10m法対応電波暗室を増設しましたが,今回,東京と名古屋の中間地点の静岡市内に「3m法対応電波暗室」を新設することで,静岡地区のお客様へのサービスをEMCと製品安全の両面から充実させるとともに,拡大する市場ニーズにお応えします。
特   長
1. 小型機器のEMC試験に最適な正規の「3m法対応電波暗室」が完成
 
暗室の大きさは,幅6.0m×奥行8.1m×高さ5.2mで,被試験装置積載用のターンテーブルの直径は2m,積載質量は500kgです。小型機器のEMC規格適合試験を意図しています。
 
2. EMC規格適合試験のコスト削減に貢献
 
JR静岡駅南口から車で約10分,東名高速道路 静岡ICからも車で約15分というアクセスの良い場所に電波暗室を新設したことにより,被試験装置の運搬費用,試験立会者の移動時間などの面からもコスト削減に貢献します。
 
今後の展開
現在,VCCI※3,FCC※5の試験所として登録申請中です。
報道機関からのお問い合わせ先
お問い合わせ先
三菱電機エンジニアリング株式会社
総務人事部 総務グループ
電話(03)3288-1101
 
3m法対応電波暗室の主な設備・仕様
項  目 仕  様
住所

静岡県静岡市駿河区豊田3-4-12

名称 静岡事業所 開発センター
建物の概要 敷地面積:約1,000m2,建築面積:約550m2
1.適合試験 3m法に準拠した放射・伝導エミッション測定(CISPR※6/FCC/VCCI/電安法等) 放射イミュニティ試験(IEC 61000-4-3に準拠)
2.サイズ(シールド面) 電波暗室 6.0m(W) × 8.1m(D) × 5.2m(H)
計測室   4.0m(W) × 2.8m(D) × 2.7m(H)
3.暗室入口扉 1.5m(W)×2.0m(H) 手動スウィング式
4.ターンテーブル
(被試験装置積載用)
直径2m 積載質量500kg
5.電源 CVCF系: 単相AC 0〜300V 50-60Hz 6kVA
三相AC 0〜519V 50-60Hz 6kVA
6.監視モニタ装置 カラーCCDカメラ ズーム付 2台
7.その他設備

荷役設備: ハンドリフター(0.5トン)

8.サービス内容 ・CEマーキング※7への対応支援(EMC指令,低電圧指令,機械指令等)
・CISPR※6,FCC,VCCIなど各種規格の認証取得代行
・各国の規格適合のための対策支援
・輸出先国の規格調査,コンサルティング
・サイト試験
・製品安全とのワンストップ支援
 
電波暗室に関するお問い合せ先
 

お問い合わせ先

三菱電機エンジニアリング株式会社
静岡事業所 製品安全技術課
電話 054-287-3170
住所 〒422-8528
静岡県静岡市駿河区小鹿3-18-1
(三菱電機株式会社 静岡製作所内)
 
用語解説
 
用語

解説

※1 
「EMC」
Electromagnetic Compatibility:電磁環境適合性。
機器自身から発生する電磁波が他の機器に妨害を与える「電磁波妨害抑制」と,外部からの様々な妨害電磁波に対する「電磁波耐性」の2つの要求事項を満足させること。
※2
「3m」
製品のカテゴリーや規格ごと(欧州規格,米国規格など)に測定距離の要求が異なります。 この3m法対応電波暗室は,3m離れた距離で測定することができるものです。
※3
「VCCI規制」
電磁波妨害に対する業界団体〔情報処理装置等電波障害自主規制協議会(日本)〕の自主規制。
VCCI:Voluntary Control Council for Interference by Information Technology Equipment
※4
「全国4センター」

「EMC東日本センター」(神奈川県鎌倉市)
10m法対応電波暗室2基,3m法対応電波暗室1基,小型電波暗室1基, シールドルーム1基,イミュニティ試験室2基,静電気試験室

「EMC中日本センター」(愛知県名古屋市)
3m法対応電波暗室1基

「EMC西日本センター」(広島県福山市)
10m法対応電波暗室1基,10m/3m法対応オープンサイト1基, 3m法対応電波暗室1基,小型電波暗室1基,シールドルーム1基

「EMC九州センター」(長崎県時津町)
10m/3m法対応オープンサイト1基,3m法対応電波暗室1基

※5
「FCC」

連邦通信委員会(米国)。
FCC: Federal Communications Commission

※6
「CISPR」

国際無線障害特別委員会
フランス語で Comite' International Spe'cial des Perturbations Radioe'lectriques
(英語:International Special Committee on Radio Interference)
電気電子機器から発する電磁波障害について, 測定法と許容値などの規格を国際的に統一することを目的に設立された国際電気標準会議(IEC)の特別委員会 。

※7
「CEマーキング」
欧州市場へ流通させる製品は,欧州連合(EU)において適用される法的規制(EU指令)の全てに適合させることが要求されます。 それらの指令に適合していることを宣言するための表示が「CEマーキング」です。
EU加盟国が輸入する場合,通関時にCEマーキングをチェックするため,CEマーキングの無い製品は原則として通関することができません。

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