2002年8月5日
広 報
三菱電機エンジニアリング株式会社
インターナショナル レクティファイアー
MEE/IR両社共同により,小型・高効率の
人工衛星搭載用エレクトロニック・パワー・コンディショナーを開発
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三菱電機エンジニアリング株式会社(本社:東京都千代田区,社長:綿谷晴司,以下MEE)とインターナショナル
レクティファイアー(本社:カリフォルニア州 エルセグンド,CEO:アレックス・リドウ,以下IR)は,両社共同で,小型,高効率の人工衛星搭載用「エレクトロニック・パワー・コンディショナー」*1(以下EPC)を開発しました。
このEPCは,衛星通信システムで用いられる「固体電力増幅器」*2(以下SSPA:Solid-state
power Amplifier)に内蔵されるDC/DCコンバーターで,太陽電池で発生させた電源をSSPAに必要な電圧へと変換します。
今回開発した製品は,小型,軽量,高効率を同時に実現したもので,衛星システム全体の電力効率の向上に貢献するものと期待されます。
MEEとIRは,全世界の人工衛星用EPCの共同開発を目的として,協業を行いました。両社の協業は本製品が初めてとなります。
1.両社の強み
MEEは衛星搭載用EPCの豊富な設計経験と技術を,IRは高性能なキーデバイスと高密度実装技術を保有しています。
2.分担
MEEが回路図を始めとする基本設計を,IRが詳細設計と製造を担当しました。
3.販売
MEEが日本国内を,IRが海外を担当します。
1.高効率を実現
従来製品の変換効率が80%前半であったものを90%に高めました。この効率は,世界トップクラスです。
2.コンパクト化を実現
質量200g,体積149cm3と高コンパクト化を実現しました。
3.短納期
電子部品において高いシェアを誇るIRの強みを活かし,受注から7ヶ月(標準)と短納期を実現しました。
報道機関からのお問い合わせ先
三菱電機エンジニアリング株式会社
総務人事部 総務グループ 田辺 電話(03)3243-1781
インターナショナル レクティファイアー ジャパン株式会社
吉沢 電話(03)3983-0875
 
項 目 |
仕 様 |
変換効率 |
90% |
外形寸法(縦×横×高さ) |
73×135×16(mm) |
質量 |
200g |
入力電圧範囲 |
26Vから43V |
出力電圧 |
+6Vから+8V可変出力(8.5A)
+5V(0.4A)
−5V(0.4A)の3出力 |
出力電力 |
56W |
動作温度範囲 |
−40℃から+80℃ |
付加機能 |
入力電流テレメトリ回路,ON/OFFテレコマンド回路,
出力シーケンス回路,過電流保護回路,
低電圧ロックアウト回路,EMIフィルタ |
※受注対応にて生産
MEE 綿谷社長
「MEEとIRの両社の強みを結集することにより,世界最高レベルの小型軽量,高効率,低ノイズなEPCを開発することが出来ました。この高性能なEPCは,衛星の電源系の高効率化や衛星全体の軽量化,更に通信システムの高品質化に貢献するものと考えられます。今後,多くの衛星にこのEPCが搭載されることを期待します。」
IR サンタ・クララ事業所 ベル・ラザール事業所長
「この新しいEPCは,高信頼性の電力制御システムにおいて,重要なインパクトを与えます。宇宙における飛翔体の設計者は電力の有効利用の観点から,搭載機器の一定の体積や質量に対して,出来るだけ高い電力効率を実現することに関心を持っています。この新しいEPCは変換効率において,業界をリードし,そしてすべての電力変換機能を含んでいます。この設計は,従来の低効率・高質量の設計にとって代わると期待されます。」
- *1:「エレクトロニック・パワー・コンディショナー」
入力電流レベルを外部へ信号送信するテレメトリ回路や各出力間のON/OFFタイミングに時間差を設ける出力シーケンス回路等の各種機能をDC/DCコンバータに付加した機器。
- *2:「固体電力増幅器」
衛星通信において,映像,データなどの情報を送信するため,マイクロ波を増幅する装置。
以上
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