プレスリリース

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<広報>
2019年11月21日
AI技術により判定閾値を自動生成し、製品の検査や設備の予防保全に貢献
新機能を搭載した音響・振動診断システム「VisibleWave®」の受注を開始
三菱電機エンジニアリング株式会社(本社:東京都千代田区、社長:永友秀明)は、AI技術を採用※1し、製品や設備が発する音や振動のデータをあらかじめ学習することで、判定閾値を自動生成できるなどの新機能を搭載した音響・振動診断システム「VisibleWave(ビジブルウェーブ)」の受注を12月2日に開始します。本機能により、判定閾値の設定作業にかかる時間を最大90%以上※2削減するとともに、判定のばらつきを解消することで、製品検査や設備の予防保全の効率化に貢献します。
なお、本製品は11月27日から29日に東京ビッグサイトで開催される「IIFES 2019オートメーションと計測の最先端技術総合展」の当社ブースに出展します。
- ※1: 三菱電機株式会社のAI技術「Maisart®(マイサート)」を搭載
- ※2: 従来の当社製との比較において。学習データ数量、異常データの傾向によって削減効果は異なります。
新機能の特長
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1.AI技術の採用で音や振動の判定閾値を自動生成し、設定作業時間を最大90%以上削減
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2.目的や状況に応じて、学習アルゴリズムおよび判定閾値生成方法が選択可能
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3.AI自動診断で計測から判定までを一貫で実現し、予防保全に貢献
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新機能搭載のねらい
音や振動を対象とした製品検査や設備診断は、担当者による聴音や触手の判断に熟練を要し、担当者ごとにばらつきが生じたり、自動化するに至っては判定基準の設定に多大な労力を要するという課題がありました。
当社は今回、三菱電機株式会社のAI技術「Maisart」を採用し、音や振動のデータをあらかじめ学習することで判定閾値を自動生成できる音響・振動診断システム「VisibleWave®」を発売します。
新機能の概要
商品名 | 新機能(オプション) | 価格 | 受注開始日 | 販売台数目標 |
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音響・振動診断システム「VisibleWave」 | AI学習ツール | 要相談 | 2019年12月2日 | 100セット/年間 |
AI自動診断 | ||||
AI自動診断モジュール |
「AI自動診断モジュール」は「AI自動診断」をモジュール化したものです。
- ※ 新機能は従来機能にオプションとして追加できます。出荷予定は2020年3月以降です。
特長の詳細
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1.AI技術の採用で音や振動の判定閾値を自動生成し、設定作業時間を最大90%以上削減
1.AI技術の採用で音や振動の判定閾値を自動生成し、設定作業時間を最大90%以上削減
AI技術を活用し、音や振動の学習データ(正常データ・異常データ群)を基に、周波数解析手法としてウェーブレット変換を応用した可視化処理によりデータ毎に時間-周波数データに分割し、学習アルゴリズムで算出した異常度から判定閾値を自動的に生成します。また、異常データが準備できない場合や異常データが少ない場合にも、学習アルゴリズムにより判定閾値を自動的に生成できます。 これにより、判定閾値の設定作業にかかる時間を従来と比べて最大で90%以上削減し、生産性向上に貢献します。
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2.目的や状況に応じて、学習アルゴリズムおよび判定閾値生成方法が選択可能
2.目的や状況に応じて、学習アルゴリズムおよび判定閾値生成方法が選択可能
学習アルゴリズムおよび判定閾値生成方法は、データの種類や目的に応じて選択が可能です。
(1)3種類の学習アルゴリズム
異常度を算出する学習アルゴリズムには以下の技術を採用しています。
学習アルゴリズム | 内 容 | 適 用 |
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線形判別分析(LDA) | 正常と異常の差異がもっとも強調されるような軸を求める手法 | 正常・異常データを準備可能な場合 |
マハラノビスタグチ法(MT法) | 正常データの集合からの外れ度合いを異常度とする手法 | 正常データのみ、異常データが少ない場合 |
主成分分析(PCA) | 各データが持つ複数の特徴量を統合し新たな総合指標を作り出す手法 | 正常データのみ、異常データが少ない場合 |
(2)判定閾値生成方法
判定閾値は各学習アルゴリズム別に以下の方法から選択して生成できます。
生成方法 | 内 容 | |
---|---|---|
見逃しゼロ | 学習データに含まれるすべての異常データを検出できるように閾値を生成 | ![]() |
最小誤識別 | 正常データを異常と誤識別した数と異常データを正常と誤識別した数が、できるだけ等しくなるように閾値を生成 | ![]() |
確率値による指定 | 以下の何れかの制約を与えて閾値を生成
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3.AI自動診断で計測から判定までを一貫で実現し、予防保全に貢献
3.AI自動診断で計測から判定までを一貫で実現し、予防保全に貢献
正常・異常データの特徴に基づいて設定する従来の判定閾値と、学習アルゴリズムに基づく判定閾値を併用して判定を行うことが可能です。これにより、判定閾値の設定時間を削減するとともに、従来の判定閾値を併用することにより、異常の特徴に基づく定量的な判定結果を併せて記録することができます。記録データは、品質管理や要因分析に活用できますので、予防保全にも貢献します。
商標関連
- ・「VisibleWave」は三菱電機エンジニアリング株式会社の登録商標です。
- ・「Maisart」は三菱電機株式会社の登録商標です。
特許関連
現在7件出願中。
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