プレスリリース

広報
2016年5月19日

磁界共鳴型ワイヤレス電力伝送技術を応用した
6.78MHz帯の「移動体への常時非接触給電技術」を開発
  三菱電機エンジニアリング株式会社(本社:東京都千代田区,社長:吉永 徹)は、磁界共鳴型ワイヤレス電力伝送技術を応用した6.78MHz帯(※1)の周波数で伝送電力が最大50Wの「移動体への常時非接触給電技術」を開発し、このたび試作機による実験に成功しました。
 これにより、送信アンテナが設置された経路上の移動体に対して、常時ワイヤレスでの給電が可能となります。また、バッテリーの小型化さらにはバッテリーレス化も期待できます。
 なお、この技術は「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2016」(2016年5月25日~27日、於:東京ビッグサイト)で公開します。

  ※1 産業科学医療用周波数(ISMバンドという)の一つで、現在は各国主管庁の周波数使用承認が必要な周波数

開発の特長

移動体への非接触給電が常時可能、バッテリーの小型化に貢献

  • 独自開発した送受信アンテナと電源システムが連携動作することにより、移動体への常時電力伝送が可能
  • 大容量バッテリーが不要となり、移動体に搭載するバッテリーの小型化、さらにはバッテリーレス化に貢献

位置ずれの影響が少ない安定した電力伝送が可能

  • 独自開発した送受信アンテナは位置ずれによる電力伝送効率変動が少なく、移動中にも安定した電力伝送が可能

周波数6.78MHzで、電力伝送システムの小型・軽量化を実現

  • 電磁妨害などの規制が緩やかな6.78MHz帯を伝送周波数に使用。送受信アンテナや送受信回路などシステムの小型・軽量化を実現

開発の背景と狙い

  近年、産業ロボットや電動車椅子、電気自動車などの移動体への給電にワイヤレス電力伝送技術の応用が検討され、研究開発が進んでいます。しかし、送信アンテナと受信アンテナの位置がずれると電力伝送効率が低下するため、受信アンテナを備える移動体は送信アンテナを備える充電器のある位置に一旦停止して充電するなど、充電中は移動体の動作を停止する必要がありました。
  今回、当社が開発した移動体への常時非接触給電技術は、磁界共鳴によるワイヤレス電力伝送方式を採用し、独自開発した送受信アンテナと電源システムが連携して動作することにより、送信アンテナが設置された経路上を移動する移動体(たとえば、FA用自動搬送機など)に対して、常時ワイヤレスで給電することを可能にしました。これにより、充電のために移動体を停止する必要が無くなり、装置の稼働率が向上します。また、移動体に搭載するバッテリーの小型化やバッテリーレス化が可能であり、装置全体の小型軽量化につながります。

今後の展開

  2016年度内に数100Wクラス品の実証実験を実施し、2017年度の実用化を目指して開発を進めていく予定です。

試作機の主な仕様

動作周波数6.78MHz
伝送電力50W以下(※2)
総合伝送効率65%以上(※2)
伝送距離10mm(※2)

※2 試作デモ機の仕様です。

商標関連

  商標はありません。

特許関連

  現在3件登録済、他多数出願中。

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総務・法務部 総務グループ
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