プレスリリース

広報
2016年5月16日

大電力のワイヤレス電力伝送への応用を可能にする
「3.7kW出力 6.78MHz高周波電源技術」を開発
  三菱電機エンジニアリング株式会社(本社:東京都千代田区,社長:吉永 徹)は、4系統の高周波(E級)インバーター回路の出力電力を高効率で合成できる新技術の採用により、大電力の磁界共鳴型ワイヤレス電力伝送を可能にする「3.7kW出力 6.78MHz※1高周波電源※2技術」を開発しました。これにより、大型のFA機器など大電力を必要とするワイヤレス給電システムの早期実用化に貢献します。
 この技術は、「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2016」(2016年5月25日~27日、於:東京ビッグサイト)で公開します。

※1:産業科学医療用周波数(ISMバンドという)の一つで、現在は各国主管庁の周波数使用承認が必要な周波数
※2:「高周波インバーター」「保護系回路」「入出力インタフェース」で構成

開発の特長

新開発の電力合成技術により、大電力3.7kWのAC電力出力に成功

  • 並列接続した複数のE級インバーター回路の出力電力を高効率で合成できる高周波インバーター※3の電力合成技術を開発
  • 4系統のE級インバーター回路の出力電力を合成することで、大電力3.7kWのワイヤレス電力伝送システムへの応用を可能にする「3.7kW出力 6.78MHz高周波電源技術」を開発
  • E級インバーター回路の合成数を変えることで、様々な出力に対応可能

  • ※3:4つの「E級インバーター回路」と「制御回路」で構成

高効率で小型・軽量の電源システムを構築

  • 高効率なE級インバーター方式を採用し、90%以上の高い電力変換効率を実現
  • 発熱が比較的少ないE級インバーター方式を採用した新開発の電源回路技術の搭載により、冷却システムを最小限に抑えられたことで小型・軽量な電源システムが構築可能

産業科学医療用周波数の6.78MHzなので、電磁干渉の低いシステム構築が可能

  • 他の低い周波数帯を使用して大電力を伝送するシステムと比較して、空間に輻射する磁界強度が低いので、他システムへの電磁干渉を低減できるなど安全なシステム構築が可能

開発の背景と狙い

  近年、ワイヤレス電力伝送技術の開発においては、主に電気自動車の充電向けには周波数85kHz帯が、小型・軽量化が重要なモバイル機器向けには周波数6.78MHz帯の割り当てが検討されています。一方、同じエネルギーを送信する場合、周波数が高いほど磁界強度が低く、他システムとの電磁干渉が低いシステム構築をできるという特長もあり、高周波で大電力化したいという要望もあります。しかし、高周波インバーターでは高効率と高出力の両立は大変に難しい課題でした。
  当社は、長年この課題に取り組んでおり、500W出力のインバーター回路2系統を電力合成し、出力1kW効率95%を達成した「高周波電源技術」を昨年、開発しました。
  今回、高周波インバーターの電力合成技術をさらに進化させて、E級インバーター回路の出力を約900Wに拡大し、また回路構成を2系統から4系統に拡張したことで、出力3.7kW 6.78MHzの「高周波電源技術」を開発しました。これにより、E級インバーター回路のスイッチング素子に加わる電圧を低くできることから、高周波化と大電力化の両立が可能になりました。この電力合成技術は、高周波インバーター出力の合成数を変えることで様々な出力に対応可能です。

今後の展開

  2016年度中の実用化を目指して開発を進めていきます。

試作機の主な仕様

動作周波数6.78MHz
出力電力(最大)AC 3.7kW(負荷25Ω時)
変換効率90%以上
付加機能過電流保護
過電圧保護
発熱異常保護
外形寸法(幅×奥行き×高さ)約250mm×約230mm※4×約130mm
重量約7kg

※4:突起部を除く

商標関連

  商標はありません。

特許関連

  現在5件登録済、他多数出願中。

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